グリグリーンのゆるりな日々

日々感じたこと、誰かに伝えたかったこと、やってみたこと。

写生大会の思い出

小学生時代、毎年写生大会がありました。お弁当を持って近場に出かけ、ゆっくり絵を描きます。毎年だったものの、覚えているのは2回だけ。そのひとつは、確か4年生だったと思います。神社に行ったんです。何故覚えているのか、それはその年だけ先生からある条件を出されたからです。


条件:下書きに鉛筆を使ってはいけない。
サインペンかボールペンで描く。
下書きができたら先生に見せてから色を塗り出す。


えーーーーー!なんでなんでーーーーー?
間違っても消せないの???

今思えば、神社側から滞在時間を制限されていて、時間内に終わらせるために下書き時間を短縮させたいという先生の思惑があったのかもしれません。

当時の私は、聞いた直後は本当にびっくりして「なんでなんでー?」と言っていましたが、大人の事情を想像することもなく、数分後にはすんなり受け入れていました。素直な子供時代です。そして、それならそれで細かい描写は避けようと神社の正面から横側に移動、大きな木で日陰いっぱいの場所を選びました。それから白紙の画用紙と景色を何回も見て、まず頭の中で画用紙に下書きを思い描きました。だいたいこんな感じだとまとまったところで、サインペンを手に取り、潔く、一気に下書きを完成させました。すぐに先生に見せに行ったところ、もう出来たの?と驚かれましたが色を塗っていいと言われました。ひょっとして、ダメだったら描き直しだったのでしょうか。

とにかく下書きが出来たことに安心した私は、ゆっくりゆっくりと水彩絵の具で色を塗り始めました。思いっきり日陰を選んだので、色の濃淡や明暗は木の上の方と建物の端の方だけで良かったからです。ところが、太陽って子供が思う以上に動くんですよね。どんどん日差しが迫ってくる。そのままを描きたい私は日陰がなるべく多いうちに色を塗り終えるんだー!という勢いに変わり筆を動かしました。


多分、こんな感じの構図で描きました。

今回ゆっくり当時を振り返って思いました。「理不尽な条件を提示されても自分なりに消化してやってみる潔さ」は大人の私にはあまりないなと。いろんなことを考え過ぎるようになったのかな。とにもかくにも、しっかり記憶に残る写生大会になりました。


それともう一つ、写生大会ではないのですが、教室の中から校庭の様子を絵に描くという時間がありました。前年度まで使用していた、古い古い木造校舎を取り壊す様子を描きなさいと言われたのでした。図工の時間ではありませんでした。(その年から新しくできた小学校に半分近く児童が転校したので、使わなくなった本当に古い木造校舎を壊すことになったのでした。なぜ春休み中にしなかったのかは謎です。)

これも今思えば、工事中の音がうるさくて他の授業はできないと判断した大人の事情だったのでしょう。絵を描き始めたものの、どんどん壊されていくので一体どの場面を描けばいいんだと戸惑ってしまいました。結局、校舎がすっかり壊されても絵は仕上がらず、先生も仕上がってなくていいから片付けてという感じでした。大人の事情だったのは確実ですね。

自分で描いた絵は覚えていないですが、窓から見た様子はだいたい覚えています。
こんな感じです。ざっくり描いてみました。


ざっくりし過ぎですね。


昭和の思い出です。