早朝に出会ったおじいさん
小雨が降るある早朝、私の十数メートル先に透明のビニール傘をさしてゆっくり歩いているおじいさんがいました。
おじいさんにプレッシャーをかけたくなくて、私もおじいさんの歩調に合わせてゆっくり歩いていました。
おじいさんは青いジャンパーに青いトートバッグを持っていて、その背中を目で追いながら歩いていると、あれ、あれれ、なんかビニール傘の形が変だなぁと思いました。
あっ!
頭がビニール傘のビニールにくい込んで頭の形にそってポコっとなってる!
おじいさん、左手で傘を持っているけど、基本は頭で支えているようです。
その日は寒く、帽子を被っていないおじいさんはビニールで頭が暖かいのかもしれません。夏になったら帽子を被らないとむれちゃうな、などど思いつつ最初の角で別れました。
ほっこり、暖かい気分になりました。あのおじいさん、また会えるかな。
前から見ても、わからないな〜。