グリグリーンのゆるりな日々

日々感じたこと、誰かに伝えたかったこと、やってみたこと。

ときどき思い出す、偶然出会ったおじいさん。

以前、台湾に行ったことがあります。そこで出会ったあるおじいさんたちの会話を今でもときどき思い出して、ほんわかした気分になります。

 

出会ったのは夜遅くに到着した桃園空港で、飛行機から降りてターミナルまで移動するバスの中です。後ろ姿しか見てないのですが、雰囲気から70歳前後と思われるおじいさん二人。台湾に到着したのが嬉しくて興奮しているご様子。周りは日本人が多くて安心して車内にいた私に会話が飛び込んできました。

 

おじいさん「いや〜、どこ行っても私は英語は大体読めるんですわ。」

私の心の声「すごいおじいさんやな」

おじいさん「でも、意味はほとんどわかりません。」

私の心の声「えっ?、わからんのかい!」

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その後まだまだ楽しい会話は続き、ふと空を見上げておじいさんがつぶやく。

「やっぱり台湾より日本の月のほうがきれいやな」

同調するもう一人のおじいさん。

途中で京都をべた褒めした後、や〜着きましたね、着きましたね、すぐマッサージ行きますか?とお互いの肩をポンポン叩いてバスを降りて行きました。

当時の私は、月は一つだからどこで見たって一緒やろ、と少しだけ上から目線でいたと思います。でも最近思うんです。おじいさんが言っているきれいな月とは、おじいさんが目を瞑ると思い浮かぶ、幼い頃に見た故郷の月ではないかと。きっとその頃は空気が澄んでいて夜は暗く月が現在よりも綺麗に見えていたでしょう。そして、月を見る機会も今より多かったでしょう。そう思うと、何も知らず、想像もせず、少しだけでも上から目線だったことを恥じてしまいます。

 

ま、バスから見えた中華系航空会社の派手な飛行機を見て、次はあれに乗ってみたいとはしゃぐおじいさんたちだったので、ただただ「日本の月のほうがきれい」と思っての発言であったかもしれませんが。